ディア・ハンター
183分と長く、内容も重い作品です。ただ、戦争映画としての構成は他に代えがたいものがあります。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- マイケル・チミノ
- 出演
- ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、メリル・ストリープ、ジョン・カザール
- 上映時間
- 183分
- 日本公開
- 1979年3月
あらすじ(ネタバレなし)
ペンシルベニアの製鉄の町。ロシア系移民の子孫である若者たちは、工場で働き、酒を飲み、山で鹿を撃って暮らしています。仲間の一人の結婚式が、彼らの出征の送別会も兼ねていました。
ベトナムの戦場で、三人は捕虜になります。そこで強いられたのは、銃に一発だけ弾を込めて引き金を引くという「遊び」でした。生きて帰った者たちは、それぞれ別の形で壊れています。
ここが見どころ
前半の結婚式
1時間近くを結婚式と町の描写に使います。失われる前の生活を、これでもかと丁寧に見せるから、後半が効きます。
鹿撃ちの意味の変化
出征前と帰還後で、同じ狩りの場面が二度あります。同じ行為が別の意味になるという見せ方が見事です。
この映画について:前半1時間は結婚式。戦場は、その後にやってくる。
戦闘描写は驚くほど少なく、戦争が人の生活をどう作り替えたかだけを描きます。前半の共同体の描写が長いのは、それを失わせるためです。
俳優陣が圧巻で、特にクリストファー・ウォーケンとメリル・ストリープは、少ない台詞で人物の変化を示します。
難点は明確にあります。183分という長さ、そしてベトナム側の描写が一方的で、史実性にも批判がある点です。公開当時から議論があり、いまも擁護しきれない部分です。
この作品の良さ
- 失われる前の生活を長く描く構成
- 同じ行為の意味を変えて見せる演出
- 俳優陣の芝居
当サイトの評価
前半1時間は結婚式。戦場は、その後にやってくる。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.5 |
| 映像美 | 4.7 |
| 音楽 | 4.6 |
| 演技 | 5.0 |
| 余韻 | 4.9 |
世間ではどう評価されているか
- 米アカデミー賞
- 5冠 作品賞・監督賞・助演男優賞ほか
- IMDb
- 8.1 /10
- 評価
- 議論あり 描写の公平性に批判
第51回アカデミー賞で作品賞・監督賞など5部門を受賞しました。一方でベトナム人の描き方については公開当時から強い批判があり、作品の評価と切り離せない論点になっています。
こんな人におすすめ
- 長く重い作品と向き合える人
- 戦争の前後を描いた映画に関心がある人
- 俳優の芝居を観るのが好きな人
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