CITIZEN KANE
洋画1941年ドラマ1940年代古典

市民ケーン

「史上最高の映画」と言われ続けてきた作品です。身構えずに、技術の展示会として観るのが正解だと思います。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督・脚本・主演
オーソン・ウェルズ
撮影
グレッグ・トーランド
上映時間
119分
公開
1941年(アメリカ)

あらすじ(ネタバレなし)

新聞王チャールズ・フォスター・ケーンが「ローズバッド」という一語を残して死にます。記者はその言葉の意味を探るため、彼を知る人々を訪ね歩きます。

貧しい家に生まれ、莫大な財を得て、新聞で世論を動かし、政界を目指し、二度結婚して二度失敗する。証言のたびに、まったく違うケーン像が現れます。

ここが見どころ

パンフォーカス

手前も奥もすべてにピントが合った画面。一つのカットの中で複数の出来事を同時に見せるという手法が、この作品で確立しました。

朝食の場面

夫婦の朝食を数カットだけ並べ、結婚から破綻までの年月を数分で示します。省略の見本としてよく引用されます。

この映画について:一人の人物を、証言だけで組み立てる。

技術の展示会という側面が強い作品です。ローアングル、深い焦点、天井のあるセット、時系列の解体。いま当たり前になっている手法の多くが、ここで一度に投入されました。

物語自体は、成功した男が誰からも理解されずに死ぬというだけです。ただ、それを証言で組み立てる構造にしたことで、人物が最後まで確定しません。

難点は、その先進性がいまでは当たり前になっていて、初見では驚けないことです。「なぜすごいのか」を知ってから観たほうが楽しめるという、少し面倒な作品でもあります。

この作品の良さ

  • パンフォーカスをはじめとする撮影技術
  • 証言で人物を組み立てる構造
  • 省略の見事さ

当サイトの評価

4.9/5.0

一人の人物を、証言だけで組み立てる。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本5.0
映像美5.0
音楽4.6
演技4.8
余韻4.8

世間ではどう評価されているか

批評家投票
1位 『Sight & Sound』で長年1位
米アカデミー賞
受賞 脚本賞
IMDb
8.3 /10

英国映画協会『Sight & Sound』誌の批評家投票で50年にわたり1位を保ち続けました(2012年に『めまい』に交代)。公開当時は実在の新聞王をモデルにしたことで妨害を受け、興行は振るいませんでした。

こんな人におすすめ

  • 映画史の必修作を押さえたい人
  • 撮影技術に興味がある人
  • 構成の面白い作品が好きな人

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