BLADE RUNNER
洋画1982年SF1980年代カルト

ブレードランナー

「難解」「退屈」という感想も多い作品です。それでも勧める理由と、合わない人の見分け方を書きます。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
リドリー・スコット
原作
フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
出演
ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー、ショーン・ヤング
音楽
ヴァンゲリス
上映時間
117分(ファイナル・カット)
日本公開
1982年7月

あらすじ(ネタバレなし)

2019年のロサンゼルス。酸性雨が降り続け、巨大な広告が空に浮かぶ街。人間そっくりに作られた人造人間「レプリカント」は、危険な労働のために使われ、地球への立ち入りを禁じられていました。

脱走したレプリカント4体を「解任」するため、元捜査官デッカードが呼び戻されます。追ううちに彼は、限られた寿命しか与えられていない彼らが、なぜ地球に戻ってきたのかを知ることになります。

ここが見どころ

街そのものが主役

雨、湯気、ネオン、多言語の看板、屋台。この美術がその後40年のSF映画の見た目を決めました。物語を追わずに街を眺めているだけでも成立します。

ヴァンゲリスの音楽

シンセサイザーによる音が、街の湿度と一体になっています。映像と音楽がここまで分かちがたい作品は多くありません。

終盤の独白

ルトガー・ハウアーが屋上で語る数十秒。俳優自身が台詞を書き換えたと言われる場面で、この映画の主題がここに集約されます。

この映画について:話は薄い。それでも、この街を見るためだけに観る価値がある。

正直に書くと、物語としては弱いです。捜査は淡々と進み、盛り上がりも少なく、主人公の内面もあまり描かれない。筋を追う映画として観ると、確実に退屈します。

それでも評価されているのは、この作品が「人間とは何か」という問いを、説明ではなく画と空気で提示しているからです。誰が本物かを見分けられない街で、寿命を持たない側と持つ側が入れ替わっていく。答えは出ません。

版が複数あるのも厄介なところで、劇場公開版にはナレーションと明るい結末が付いています。いま観るならファイナル・カットを選ぶのが一般的です。ここを間違えると印象がかなり変わります。

この作品の良さ

  • 以降のSF映画の見た目を決めた美術
  • ヴァンゲリスの音楽と映像の一体感
  • 答えを出さずに問いだけを残す作り

当サイトの評価

4.6/5.0

話は薄い。それでも、この街を見るためだけに観る価値がある。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.2
映像美5.0
音楽5.0
演技4.4
余韻4.8

世間ではどう評価されているか

IMDb
8.1 /10
公開時
不振 興行・批評とも振るわず
現在
定番 SF映画の必修作扱い

公開当時は興行的に失敗し、批評も芳しくありませんでした。評価が定まったのはビデオとテレビ放送を通じてで、時間をかけてカルト的な支持を得た典型例です。

サイバーパンクという美術様式は、事実上この作品が確立しました。2017年には続編『ブレードランナー 2049』が公開されています。

こんな人におすすめ

  • 筋よりも雰囲気を浴びたい人
  • SF美術の原点を確認したい人
  • 静かな映画を集中して観られる時間がある人

配信を探す

各サービスで「ブレードランナー」を検索した結果へ移動します。配信の有無はリンク先でご確認ください(配信状況は頻繁に変わるため、当サイトでは配信中かどうかの判定はしていません)。