晩春LATE SPRING
邦画1949年ドラマ1940年代小津安二郎

晩春

『東京物語』より前の作品ですが、完成度ではこちらを推す人も多い一本です。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
小津安二郎
脚本
野田高梧、小津安二郎
出演
笠智衆、原節子、杉村春子
上映時間
108分
公開
1949年9月

あらすじ(ネタバレなし)

鎌倉。大学教授の曾宮周吉は、妻を亡くして以来、27歳の娘・紀子と二人で暮らしています。紀子は父の世話をすることに満足しており、結婚する気がありません。

周囲は彼女に縁談を勧めますが、彼女は父を一人にできないと言います。そこで父は、自分にも再婚の話があると嘘をつきます。

ここが見どころ

壺のカット

旅館で娘が父に語りかける場面の途中に、壺だけが数秒映ります。この空白のカットの意味をめぐって、いまも議論が続いています。

ラストのりんご

一人になった父がりんごの皮を剥き、途中で手を止める。台詞なしで全部を言い切る数十秒です。

この映画について:娘を嫁にやるために、父が嘘をつく。

話は極めて単純です。娘が嫁に行く。それだけ。それでも108分持つのは、二人の関係の変化が細部だけで示されるからです。

小津作品の特徴である低いカメラ、正面からの切り返し、同じ構図の反復が、ここで完全に確立しています。

難点は、テンポの遅さと、結婚をめぐる価値観が明確に時代的なことです。ただ、父の側の寂しさは普遍的です。

この作品の良さ

  • 台詞なしで感情を示すラスト
  • 小津作品の様式の完成
  • 笠智衆と原節子の関係の描写

当サイトの評価

4.9/5.0

娘を嫁にやるために、父が嘘をつく。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本5.0
映像美4.7
音楽4.3
演技5.0
余韻5.0

世間ではどう評価されているか

キネマ旬報
1位 1949年 日本映画ベスト・テン
IMDb
8.1 /10
評価
最高位 小津作品の代表作

キネマ旬報ベスト・テンで1位に選ばれました。海外の批評家からの評価は『東京物語』と並んで高く、小津安二郎の様式が確立した作品とされています。

こんな人におすすめ

  • 小津作品を試したい人
  • 親子の話が好きな人
  • 静かな映画をゆっくり観たい人

配信を探す

各サービスで「晩春」を検索した結果へ移動します。配信の有無はリンク先でご確認ください(配信状況は頻繁に変わるため、当サイトでは配信中かどうかの判定はしていません)。