OF OTHERS
バベル
「伝わらない」ことだけを、四つの場所で描き続ける映画です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
- 脚本
- ギジェルモ・アリアガ
- 音楽
- グスターボ・サンタオラヤ
- 出演
- ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、菊地凛子、役所広司
- 製作国
- アメリカ・メキシコ・フランス
- 上映時間
- 143分
- 公開
- 2007年4月(日本)
あらすじ(ネタバレなし)
モロッコの荒野。山羊を守るために父から渡されたライフルを、兄弟が試し撃ちします。遠くを走る観光バスに、その弾が当たります。
撃たれたのはアメリカ人観光客の妻でした。夫は現地で助けを求めますが、言葉も制度も通じません。
同じ頃、彼らの子どもを預かるメキシコ人の家政婦は、息子の結婚式のために国境を越えます。そして東京では、耳の聞こえない女子高生が、自分を理解しない世界に苛立っています。
ここが見どころ
東京のクラブの場面
音が消え、また戻る。聴覚障害のある人物の主観を、音響設計だけで観客に共有させます。本作で最も強い箇所です。
国境の場面
手続きの行き違いだけで、人がどこまで追い詰められるか。誰も悪意を持っていないのが恐ろしい。
サンタオラヤの音楽
弦とギターの最小限の編成。四つの土地を一本の線でつなぐ役割を担っています。
この映画について:モロッコの一発の銃弾が、東京までつながる。
四つの物語は、実は時系列も因果も一直線には並んでいません。観客もまた「全体像が見えない」状態に置かれるという設計です。
菊地凛子はこの作品でアカデミー助演女優賞にノミネートされました。日本人俳優としては歴史的な出来事です。
難点は、日本パートが他の三つと因果的には弱くつながっていることと、143分の長さです。テーマ先行だという批判も理解できます。
この作品の良さ
- 東京パートの音響設計
- 菊地凛子の演技
- 四つの土地の撮り分け
当サイトの評価
モロッコの一発の銃弾が、東京までつながる。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 3.9 |
| 映像美 | 4.4 |
| 音楽 | 4.4 |
| 演技 | 4.5 |
| 余韻 | 4.2 |
世間ではどう評価されているか
- アカデミー賞
- 作曲賞 7部門ノミネート
- カンヌ
- 監督賞 2006年
- IMDb
- 7.5 /10
第79回アカデミー賞で作曲賞を受賞し、作品賞を含む7部門にノミネートされました。菊地凛子が助演女優賞候補となっています。
2006年のカンヌ国際映画祭では監督賞を受賞しました。
こんな人におすすめ
- 群像劇が好きな人
- 音響設計に興味がある人
- 日本の俳優の海外作品を観たい人
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