20世紀少年
実写化の難易度という点では、かなり厳しい原作でした。その前提で書きます。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- 堤幸彦
- 原作
- 浦沢直樹『20世紀少年』
- 出演
- 唐沢寿明、豊川悦司、常盤貴子、香川照之
- 製作国
- 日本
- 公開
- 2008年
- 構成
- 3部作の第1章
あらすじ(ネタバレなし)
1969年、小学生のケンヂと仲間たちは、秘密基地で「よげんの書」を書きました。悪の組織が世界を滅ぼそうとし、自分たちが立ち向かうという子どもの空想です。
1997年。コンビニ店主となったケンヂのもとに、旧友の訃報が届きます。さらに世界各地で起きている奇怪な事件が、あの「よげんの書」の内容と一致していることに彼は気づきます。
背後にいるのは「ともだち」と呼ばれる謎の教祖でした。仮面で顔を隠したその人物は、幼いころの仲間の誰かである可能性が高い。ケンヂは旧友を集め始めます。
ここが見どころ
設定の強さ
子どもの落書きが現実になるという発想は、それだけで牽引力があります。1969年と1997年を行き来する構成も、原作の魅力をそのまま持ち込めています。
配役の物量
唐沢寿明、豊川悦司、常盤貴子、香川照之ほか、有名俳優が大量に投入されています。原作の登場人物の多さに対応するための手段でもあります。
「ともだち」の造形
仮面と、独特の指のポーズ。ビジュアルとしての不気味さは再現できています。
この映画について:子どものころの空想が、本当に世界を滅ぼしにくる。
原作は全22巻。それを3部作に収めるという時点で、無理があります。実際、第1章は出来事を順番に紹介していくだけになりがちで、人物の掘り下げがほとんどありません。
とはいえ、設定そのものが強いので、初見の観客は引っ張られます。謎が提示され続けるあいだは面白い。問題は、その謎の回収が3部作全体に持ち越されることです。
堤幸彦の演出は、原作の絵柄を再現することに重心があります。似ているかどうかに労力が割かれ、映画としての語りが後回しになっている印象は否めません。
第1章単体では評価しづらい作品です。3部作を通しで観る覚悟がある人向け、というのが正直なところです。原作既読者のほうが楽しめる、という点でも観客を選びます。
この作品の良さ
- 子どもの空想が現実になるという設定の強さ
- 1969年と1997年を往復する構成
- 原作の人物の多さに対応した配役の物量
- 「ともだち」のビジュアルの不気味さ
当サイトの評価
子どものころの空想が、本当に世界を滅ぼしにくる。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 3.3 |
| 映像美 | 3.8 |
| 音楽 | 3.7 |
| 演技 | 3.7 |
| 余韻 | 3.3 |
世間ではどう評価されているか
- 原作
- 全22巻 浦沢直樹の漫画
- 構成
- 3部作 の第1章
- 公開
- 2008 年
浦沢直樹の漫画『20世紀少年』(全22巻)を3部作として実写映画化した、その第1章にあたります。
大規模な製作費と配役で話題を集めた作品ですが、原作の分量を3本に収める構成については公開当時から議論がありました。
こんな人におすすめ
- 原作漫画を読んだことがある人
- 3部作を通しで観る時間が取れる人
- 1970年前後の空気を扱った作品が好きな人
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