その手に触れるまで(2020年・洋画)のイメージ
洋画2020年ドラマ青春ベルギー

その手に触れるまで

4.2/5当サイトの評価(5点満点)

83分と短く、そして息苦しい作品です。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督・脚本
ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
出演
イディル・ベン・アディ、オリヴィエ・ボノー、ミリエム・アケディウ
上映時間
83分
製作国
ベルギー・フランス
日本公開
2020年
受賞
カンヌ国際映画祭 監督賞

あらすじ(ネタバレなし)

ベルギーに暮らす13歳のアメッドは、少し前まで普通の少年でした。ゲームが好きで、学校にも通っていました。

しかし地元のモスクの導師に傾倒するようになってから、彼は変わります。母に酒をやめろと迫り、女性教師と握手することを拒むようになりました。

やがて彼は、その教師を「背教者」とみなします。そして、ある行動に出ます。少年院に収容された後も、彼の考えは変わりません。

ここが見どころ

説明しない構成

なぜ彼がそうなったのかは説明されません。家庭にも学校にも、決定的な原因は示されない。この不在が本作の核です。

手持ちカメラ

ダルデンヌ兄弟の一貫した手法で、少年の背中を追い続けます。観客は常に彼の後ろにいて、顔がよく見えない。

83分という尺

余計な場面が一つもありません。始まってすぐ状況に放り込まれ、決着がつかないまま終わります。

この映画について:13歳の少年が、過激な教えに染まっていく。

ダルデンヌ兄弟は、社会の周縁にいる人物を突き放して描き続けてきた作り手です。本作でも、少年を理解しようとする素振りすら見せません。

この距離の取り方には批判もありました。過激化の原因を掘り下げないことが、無責任だという指摘です。ただ私は、簡単な原因を提示するほうが危ういと考えます。

タイトルにある「触れる」という行為が、終盤で決定的な意味を持ちます。宗教的な理由で拒んでいた接触が、別の形で起きる。ここは見事です。

答えは出ません。少年が変わったのかどうかも分かりません。すっきりしたい人には全く向かない作品です。

この作品の良さ

  • 原因を説明しない構成
  • 背中を追い続ける手持ちカメラ
  • 83分に絞った密度
  • タイトルが終盤で意味を持つ設計

当サイトの評価

4.2/5.0

13歳の少年が、過激な教えに染まっていく。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.3
映像美4.0
音楽3.8
演技4.4
余韻4.4

世間ではどう評価されているか

カンヌ
監督賞 2019年
上映時間
83
製作国
ベルギー ・フランス

数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。

2019年のカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞し、日本では2020年に公開されました。

過激化の原因を説明しない構成については、公開時から議論があります。

こんな人におすすめ

  • ダルデンヌ兄弟の作品が好きな人
  • 答えの出ない作品に耐えられる人
  • 短い尺で密度の高い映画を求めている人

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