

月
観るのが辛い作品ですが、避けて通れない題材だと思います。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- 石井裕也
- 原作
- 辺見庸『月』
- 出演
- 宮沢りえ、磯村勇斗、オダギリジョー、二階堂ふみ
- 製作国
- 日本
- 公開
- 2023年
- 上映時間
- 144分
あらすじ(ネタバレなし)
作家として行き詰まった洋子は、森の奥にある重度障害者の施設で働き始めます。夫は売れない映像作家です。
施設の現場は過酷でした。人手は足りず、入所者は意思を伝える手段を持たない人が多い。職員の中には、雑に扱う者もいます。
同僚のさとくんは、当初は真面目な青年でした。しかし彼は次第に、ある考えに取りつかれていきます。
ここが見どころ
加害者の論理
磯村勇斗演じる青年の思考が、順を追って描かれます。これを描くこと自体の是非が、本作最大の論点です。
施設の描写
現場の人手不足と、職員の疲弊が具体的に示されます。事件を個人の異常に還元しない構成です。
主人公の側の弱さ
宮沢りえ演じる洋子も、決して正しい側に立ち続けられません。観客が安全に批判できる立場を与えない作りです。
この映画について:障害者施設で起きた事件を、正面から扱う。
2016年に実際に起きた事件をモチーフにしています。この題材を映画にすること自体に、批判がありました。その指摘には理由があります。
作品は加害者を肯定しません。しかしその思考を丁寧に追うため、観客は彼の論理を一度は聞かされることになります。ここが最も辛い部分です。
同時に、主人公の側も追い詰められます。命に線を引かない、と言い切れるのか。安全な立ち位置がどこにもないという設計が徹底しています。
答えは出ません。出るはずもない。観たあとに気分が良くなる作品ではありませんが、避けて通るべき題材でもないと思います。
この作品の良さ
- 事件を個人の異常に還元しない構成
- 施設の現場の具体的な描写
- 観客に安全な立場を与えない設計
- 磯村勇斗と宮沢りえの演技
当サイトの評価
障害者施設で起きた事件を、正面から扱う。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.2 |
| 映像美 | 4.3 |
| 音楽 | 4.0 |
| 演技 | 4.4 |
| 余韻 | 4.4 |
世間ではどう評価されているか
- 原作
- 辺見庸 の小説
- 上映時間
- 144 分
- 公開
- 2023 年
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
辺見庸の小説を原作とし、2016年に起きた事件をモチーフにした作品です。
この題材を映画化すること自体への批判も公開時に寄せられました。当サイトではその点を明記しておきます。
こんな人におすすめ
- 重い社会問題を扱った作品を求めている人
- 議論のある題材を自分で確かめたい人
- 石井裕也の作品を追っている人
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