トーク・トゥ・ハー
気持ちのいい映画ではありません。それでも忘れられない一本です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- ペドロ・アルモドバル
- 音楽
- アルベルト・イグレシアス
- 出演
- ハビエル・カマラ、ダリオ・グランディネッティ、レオノール・ワトリング
- 製作国
- スペイン
- 上映時間
- 112分
- 公開
- 2003年(日本)
あらすじ(ネタバレなし)
看護師のベニグノは、事故で意識を失ったバレエ学校の生徒アリシアを、四年にわたって世話し続けています。彼は毎日、返事のない彼女に話しかけます。
同じ病院に、女闘牛士リディアが運び込まれます。付き添うのは恋人で旅行作家のマルコ。彼は昏睡した相手にどう接すればいいのか分かりません。
ベニグノはマルコに言います。「話しかけるんだ」。二人の男の間に、奇妙な友情が生まれていきます。
ここが見どころ
無声映画の挿入
作中で語られる架空のサイレント映画『縮み男』。直接描けないことを、まったく別の映像に置き換えて見せるという離れ業です。
カエターノ・ヴェローゾの歌
庭の場面で歌われる『ククルクク・パロマ』。物語を止めて数分間を歌に明け渡します。
ピナ・バウシュの舞台
冒頭と結末に置かれた現代舞踊。台詞のない身体だけで、作品の主題を挟み込みます。
この映画について:眠り続ける二人の女と、そばで話し続ける二人の男。
この作品が扱うのは、同意できない相手に向けられた愛情という、擁護のしようがない題材です。アルモドバルはそれを非難も正当化もせず、ただ美しく撮ります。
だから観たあとに割り切れなさが残ります。私はその割り切れなさこそがこの映画の目的だと思っています。分かりやすい断罪を求めると裏切られます。
難点は当然ながら、題材に耐えられない人がいることです。無理に勧めるべき作品ではありません。
この作品の良さ
- 無声映画の挿入という発想
- 音楽と舞踊の使い方
- 断罪も擁護もしない姿勢
当サイトの評価
眠り続ける二人の女と、そばで話し続ける二人の男。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.6 |
| 映像美 | 4.4 |
| 音楽 | 4.5 |
| 演技 | 4.4 |
| 余韻 | 4.7 |
世間ではどう評価されているか
- アカデミー賞
- 脚本賞 2003年
- IMDb
- 7.9 /10
- 製作国
- スペイン
第75回アカデミー賞で脚本賞を受賞しました。スペイン語作品としては異例の受賞です。
ヨーロッパ映画賞でも作品賞・監督賞・脚本賞を受賞しています。
こんな人におすすめ
- 倫理的に難しい題材に向き合える人
- アルモドバル作品に入りたい人
- 音楽と映像の美しい作品が好きな人
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