トーク・トゥ・ハーHABLE CON ELLA
洋画2002年ドラマ2000年代アルモドバル

トーク・トゥ・ハー

気持ちのいい映画ではありません。それでも忘れられない一本です。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督・脚本
ペドロ・アルモドバル
音楽
アルベルト・イグレシアス
出演
ハビエル・カマラ、ダリオ・グランディネッティ、レオノール・ワトリング
製作国
スペイン
上映時間
112分
公開
2003年(日本)

あらすじ(ネタバレなし)

看護師のベニグノは、事故で意識を失ったバレエ学校の生徒アリシアを、四年にわたって世話し続けています。彼は毎日、返事のない彼女に話しかけます。

同じ病院に、女闘牛士リディアが運び込まれます。付き添うのは恋人で旅行作家のマルコ。彼は昏睡した相手にどう接すればいいのか分かりません。

ベニグノはマルコに言います。「話しかけるんだ」。二人の男の間に、奇妙な友情が生まれていきます。

ここが見どころ

無声映画の挿入

作中で語られる架空のサイレント映画『縮み男』。直接描けないことを、まったく別の映像に置き換えて見せるという離れ業です。

カエターノ・ヴェローゾの歌

庭の場面で歌われる『ククルクク・パロマ』。物語を止めて数分間を歌に明け渡します。

ピナ・バウシュの舞台

冒頭と結末に置かれた現代舞踊。台詞のない身体だけで、作品の主題を挟み込みます。

この映画について:眠り続ける二人の女と、そばで話し続ける二人の男。

この作品が扱うのは、同意できない相手に向けられた愛情という、擁護のしようがない題材です。アルモドバルはそれを非難も正当化もせず、ただ美しく撮ります。

だから観たあとに割り切れなさが残ります。私はその割り切れなさこそがこの映画の目的だと思っています。分かりやすい断罪を求めると裏切られます。

難点は当然ながら、題材に耐えられない人がいることです。無理に勧めるべき作品ではありません。

この作品の良さ

  • 無声映画の挿入という発想
  • 音楽と舞踊の使い方
  • 断罪も擁護もしない姿勢

当サイトの評価

4.3/5.0

眠り続ける二人の女と、そばで話し続ける二人の男。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.6
映像美4.4
音楽4.5
演技4.4
余韻4.7

世間ではどう評価されているか

アカデミー賞
脚本賞 2003年
IMDb
7.9 /10
製作国
スペイン

第75回アカデミー賞で脚本賞を受賞しました。スペイン語作品としては異例の受賞です。

ヨーロッパ映画賞でも作品賞・監督賞・脚本賞を受賞しています。

こんな人におすすめ

  • 倫理的に難しい題材に向き合える人
  • アルモドバル作品に入りたい人
  • 音楽と映像の美しい作品が好きな人

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