ハウルの動く城
呪いで90歳の老婆にされた少女が、動く城で暮らし始める。物語の整理は決してよくないが、動く城の造形と久石譲のワルツだけで観る価値がある。
軽い作品ですが、軽さの質が高い一本です。疲れているときに向いています。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
山形の高校。補習をさぼりたい一心で吹奏楽部の弁当運びを引き受けた落ちこぼれの女子生徒たちは、食中毒で倒れた部員の代役として、急遽ビッグバンドを組むことになります。
楽器も読めない、リズムも取れない状態からのスタート。楽器を買う金を稼ぎ、猪に追われ、それでも彼女たちはジャズにのめり込んでいきます。
出演者が数か月の練習を経て、実際に楽器を演奏しています。下手なところから上達していく過程が、そのまま画面に残っている。
説明を省き、短いギャグを積み重ねます。矢口史靖監督らしい歯切れの良さです。
難しいことは何もありません。できなかったことができるようになる、それだけを105分やる作品です。それを気持ちよく作り切っています。
終盤の演奏場面は、実際に彼女たちが弾いているという事実だけで説得力があります。演技と成果が一致している。
難点は、人物の掘り下げがほとんどないことです。家庭も進路も描かれません。ただ、それを承知で作られた軽さなので、欠点というより設計だと思います。
落ちこぼれの女子高生が、ビッグバンドを組む。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.1 |
| 映像美 | 4.0 |
| 音楽 | 4.5 |
| 演技 | 4.3 |
| 余韻 | 4.0 |
公開後、高校の吹奏楽部やジャズ研究会への入部希望者が増えたと報じられました。矢口史靖監督の『ウォーターボーイズ』に続くヒット作です。
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