そして、バトンは渡された(2021年・邦画)のイメージ
邦画2021年ドラマ2020年代日本

そして、バトンは渡された

設定だけ聞くと重い話に思えますが、実際にはかなり明るい作品です。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
前田哲
原作
瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』
出演
永野芽郁、田中圭、石原さとみ、市村正親
製作国
日本
公開
2021年
原作受賞
2019年本屋大賞

あらすじ(ネタバレなし)

高校生の優子は、血のつながらない父・森宮さんと二人で暮らしています。彼は毎朝手の込んだ料理を作り、彼女を心配しすぎるほど心配する人物です。

優子はこれまでに、3人の父と2人の母のもとを渡り歩いてきました。それでも「不幸だと思ったことは一度もない」と語ります。

一方、時間を遡ったもう一つの物語では、梨花という女性が、幼い子どもを連れて何度も結婚と離婚を繰り返しています。二つの時間が、やがて一つに合流します。

ここが見どころ

二つの時間軸

現在の優子と、過去の梨花の物語が交互に語られます。両者の関係が明かされる中盤の転換が、この作品の仕掛けです。

田中圭の森宮さん

距離感を測りかねている養父を、押しつけがましくなく演じています。過剰な料理を作り続けるという行動だけで、彼の不器用な愛情が伝わります。

不幸として描かない

複雑な家庭環境を、同情の対象にしません。「そういう家族もある」という前提で話が進むのが、この作品のいちばん良いところです。

この映画について:父が3人、母が2人。それでも不幸ではなかった。

血のつながらない親子を扱う作品は、たいてい葛藤や拒絶を描きます。本作にはそれがほとんどありません。優子はどの親のもとでもそれなりに幸せで、それを疑ってもいない。この設定が新鮮です。

仕掛けとしては、二つの時間軸の関係が中盤で明かされる構成です。読めてしまう人もいるとは思いますが、驚きより納得で見せるタイプなので、大きな問題にはなりません。

感動の作り方はやや直接的で、終盤は明確に泣かせにきます。原作の淡々とした語り口が好きだった人には、映画版は感情的すぎると映るかもしれません。

永野芽郁と田中圭のやりとりが心地よく、日常の場面がいちばん良い作品です。事件が起きていないときの空気が魅力になっています。

この作品の良さ

  • 複雑な家庭を不幸として描かない前提
  • 田中圭の不器用な養父像
  • 二つの時間軸が合流する構成
  • 日常の場面の心地よさ

当サイトの評価

4.1/5.0

父が3人、母が2人。それでも不幸ではなかった。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.1
映像美4.0
音楽4.0
演技4.3
余韻4.3

世間ではどう評価されているか

原作
本屋大賞 2019年受賞
公開
2021
原作者
瀬尾まいこ

数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。

瀬尾まいこの小説が原作で、2019年の本屋大賞を受賞しています。

血のつながらない家族を、悲劇としてではなく描いた点が支持されました。

こんな人におすすめ

  • 家族の話で泣きたい人
  • 重い設定でも明るい語り口を求める人
  • 原作を読んだ人

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