Shall we ダンス?
ハリウッドでリメイクもされた作品ですが、オリジナルのほうが「恥ずかしさ」の扱いが繊細だと思います。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- 周防正行
- 出演
- 役所広司、草刈民代、竹中直人、渡辺えり子
- 上映時間
- 136分
- 公開
- 1996年1月
あらすじ(ネタバレなし)
42歳の会社員・杉山正平は、家も買い、娘も育ち、望んだものはひととおり手に入れました。それなのに、毎日の帰り道はただ気が重い。
ある夜、電車の窓から見えたダンス教室の窓辺に、寂しげに立つ女性の姿がありました。彼はその姿に引かれて教室に通い始めます。しかし、動機が不純だったこと、そして中年男性が社交ダンスを習うということ自体が、彼には恥ずかしくてたまりません。
ここが見どころ
恥ずかしさの描写
家族に言えない、同僚に見られたくない、鏡の中の自分が見ていられない。この居心地の悪さを笑いにしながら、馬鹿にしないのがこの映画の品の良さです。
竹中直人の同僚
会社では冴えないのに、ダンスになると別人になる男。過剰な芝居ですが、彼がいることで主人公の恥ずかしさが相対化されます。
上達の過程
うまくなっていく様子が、練習の積み重ねとしてきちんと描かれます。努力を省略しないので、終盤の場面に説得力が出ます。
この映画について:中年男性が、社交ダンスを習っていることを家族に言えない。
コメディですが、笑いの対象は主人公の「恥ずかしさ」であって、社交ダンスそのものではありません。やりたいことがあるのに、いい年をして、と自分で自分を止めてしまう感覚。ここが正確に描かれています。
役所広司の芝居がとにかく上手く、うつむき加減の背中だけで中年の疲れが伝わります。妻の側の描写も丁寧で、夫の変化を怪しむ過程が一方的になっていません。
難点は136分という長さで、中盤の大会の準備はやや長い。また、動機がヒロインへの関心から始まる点は、いまの目で見ると引っかかる人もいると思います。
この作品の良さ
- 恥ずかしさを笑いにしつつ、馬鹿にしない
- 上達の過程を省略しない誠実さ
- 役所広司の芝居
当サイトの評価
中年男性が、社交ダンスを習っていることを家族に言えない。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.5 |
| 映像美 | 4.0 |
| 音楽 | 4.4 |
| 演技 | 4.7 |
| 余韻 | 4.5 |
世間ではどう評価されているか
- 日本アカデミー賞
- 13冠 主要部門をほぼ独占
- 国内興行収入
- 約16 億円
- 海外
- リメイク 2004年にハリウッド版
第20回日本アカデミー賞で13部門を受賞し、主要部門をほぼ独占しました。
海外でも高く評価され、2004年にはリチャード・ギア主演でハリウッドリメイクが作られています。日本映画のリメイクとしては珍しく成功した例です。
こんな人におすすめ
- まっとうなコメディが観たい人
- 中年の心情を描いた話が好きな人
- 邦画の定番を押さえたい人
配信を探す
各サービスで「Shall we ダンス?」を検索した結果へ移動します。配信の有無はリンク先でご確認ください(配信状況は頻繁に変わるため、当サイトでは配信中かどうかの判定はしていません)。