秋刀魚の味AN AUTUMN AFTERNOON
秋刀魚の味
小津作品を何本か観たあとに観ると、最後の一本として効きます。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- 小津安二郎
- 脚本
- 野田高梧、小津安二郎
- 出演
- 笠智衆、岩下志麻、佐田啓二、岡田茉莉子
- 上映時間
- 113分
- 公開
- 1962年11月
あらすじ(ネタバレなし)
会社の重役・平山周平は、妻を亡くし、24歳の娘と息子と暮らしています。娘の路子は家事をすべて引き受けており、結婚の話は出ていません。
同窓会で再会した恩師が、婚期を逃した娘に世話をさせたまま老いている姿を見て、周平は考えを変えます。娘を嫁にやることを決めた彼は、しかしその後の生活を思って動けません。
ここが見どころ
恩師の姿
娘に世話をさせ続けた老教師が、酔って本音を漏らす場面。主人公の未来として提示されるという構造が残酷です。
最後の一言
式のあと、一人になった父が漏らす短い台詞。それが小津作品の最後の言葉になりました。
この映画について:同じ話をもう一度、色つきで。そして最後の作品になった。
『晩春』と同じ話を、より苦く語り直した作品です。父は娘を思って嫁がせるのではなく、自分がそうならないために嫁がせる。
カラー作品で、赤いやかんや青い制服など、色の配置が徹底されています。構図の完成度は最高水準です。
難点は、同じ主題の繰り返しであることと、テンポの遅さです。ただ、遺作としての重みも含めて、代表作のひとつです。
この作品の良さ
- 同じ主題をより苦く語り直した構成
- カラーでの色の配置
- 笠智衆の最後の芝居
当サイトの評価
4.7/5.0
同じ話をもう一度、色つきで。そして最後の作品になった。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.8 |
| 映像美 | 4.6 |
| 音楽 | 4.3 |
| 演技 | 4.9 |
| 余韻 | 4.9 |
世間ではどう評価されているか
- IMDb
- 8.0 /10
- 記録
- 遺作 小津安二郎の最後の作品
- 評価
- 高い 後期の代表作
小津安二郎監督の遺作です。公開の翌年、監督は60歳の誕生日に他界しました。
こんな人におすすめ
- 小津作品をすでに観ている人
- 苦い家族の話が好きな人
- 色彩設計に興味がある人
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