

モロッコ、彼女たちの朝
静かな作品ですが、背景にあるのは厳しい現実です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- マリヤム・トゥザニ
- 出演
- ルブナ・アザバル、ニスリン・エラディ
- 製作国
- モロッコ・フランス・ベルギー
- 日本公開
- 2021年
- 出品
- カンヌ国際映画祭 ある視点部門
- ジャンル
- ドラマ
あらすじ(ネタバレなし)
モロッコの旧市街。夫を亡くしたアブラは、幼い娘と二人でパン屋を営んでいます。感情を表に出さず、淡々と働く日々でした。
ある日、身重の若い女性サミアが仕事と寝床を求めて訪ねてきます。未婚での妊娠は、この国では罪に問われかねません。
最初は追い返したアブラですが、やがて彼女を家に入れます。パンを焼く作業を通じて、二人の距離は少しずつ変わっていきます。
ここが見どころ
手仕事の撮り方
生地をこね、伸ばし、焼く。台所の作業を長回しで見せることが、二人の関係の変化を語る手段になっています。
説明しない社会背景
未婚の母がどう扱われるかは、台詞では説明されません。行動と沈黙から察するしかない作りです。
二人の女優
感情を抑える年長者と、抑えきれない若者。対照が明確で、演技だけで関係が進みます。
この映画について:パンを焼く音と、行き場のない妊婦。
モロッコで未婚の妊娠がどういう意味を持つのか。それを説明せずに、行動だけで示すという選択が効いています。
パン作りの場面が繰り返され、そのたびに二人の距離が変わります。台詞ではなく作業で関係を語る手法は、この題材によく合っています。
監督のマリヤム・トゥザニは、実際に自宅に身を寄せた女性の経験を着想元にしていると語っています。そのぶん、描写に具体性があります。
劇的な展開はなく、社会が変わるわけでもありません。個人の範囲でできることだけが描かれるため、物足りなさを感じる人はいるでしょう。
この作品の良さ
- 手仕事の長回しで関係を語る手法
- 社会背景を説明しない演出
- 二人の女優の対照的な芝居
- 着想元となった実際の経験
当サイトの評価
パンを焼く音と、行き場のない妊婦。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.0 |
| 映像美 | 4.2 |
| 音楽 | 3.9 |
| 演技 | 4.2 |
| 余韻 | 4.2 |
世間ではどう評価されているか
- カンヌ
- 出品 ある視点部門
- 製作国
- モロッコ ほか
- 日本公開
- 2021 年
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
カンヌ国際映画祭のある視点部門に出品されたモロッコ映画です。
未婚の母が置かれる状況を、説明ではなく描写で示す構成が評価されました。
こんな人におすすめ
- 静かな人間ドラマが好きな人
- 他の国の日常に関心がある人
- 料理や手仕事の描写が好きな人
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