最強のふたり
難しいことを考えずに気持ちよく観られる一本です。ただ、批判もある作品なので、そこも書いておきます。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ
- 出演
- フランソワ・クリュゼ、オマール・シー
- 製作国
- フランス
- 上映時間
- 113分
- 日本公開
- 2012年9月
あらすじ(ネタバレなし)
パリ。事故で首から下が麻痺した大富豪フィリップは、住み込みの介護人を探していました。真面目な応募者が並ぶ中、失業手当の書類にサインが欲しいだけの黒人青年ドリスが現れます。
フィリップが選んだのは、彼でした。理由は、ドリスだけが自分に同情しなかったから。介護の常識をまったく知らないドリスは、遠慮なく冗談を言い、車椅子を押して街を走り回ります。
ここが見どころ
同情しない
ドリスは障害を気遣いません。冗談の対象にし、無茶をさせる。「かわいそう」という視線がないことが、この関係の核になっています。
音楽の対比
クラシックとソウル・ファンク。二人の世界の違いが音楽で示され、誕生日の場面でそれが交わります。
湿っぽくしない
感動的にできる場面をことごとく笑いで外していきます。お涙頂戴を避けるという方針が最後まで一貫している。
この映画について:同情しないことが、いちばんの敬意になる。
実話が基ですが、まず単純に喜劇として面白いです。二人のテンポのいい掛け合いだけで113分持ってしまう。オマール・シーの存在感が圧倒的で、この配役が作品の全部だと言ってもいい。
障害を扱う作品にありがちな、教訓や啓発の押しつけがありません。ドリスも聖人ではなく、金にがめつく、雑で、途中で投げ出しもする。その等身大さが効いています。
一方で批判もあります。実在のモデルはアラブ系でしたが、映画では黒人に変更されており、「白人の富豪を黒人が明るく救う」という構図が古い型をなぞっているという指摘です。この批判は正当だと思うので、承知したうえで観るのがいいと思います。
この作品の良さ
- 同情を排した関係の描き方
- オマール・シーの存在感
- お涙頂戴を避ける一貫した方針
当サイトの評価
同情しないことが、いちばんの敬意になる。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.5 |
| 映像美 | 4.2 |
| 音楽 | 4.7 |
| 演技 | 4.9 |
| 余韻 | 4.7 |
世間ではどう評価されているか
- フランス
- 大ヒット 自国映画の歴代上位
- セザール賞
- 受賞 主演男優賞(オマール・シー)
- IMDb
- 8.5 /10
フランス本国で歴史的な大ヒットとなり、ヨーロッパ全域、そして日本でもロングランになりました。オマール・シーはこの作品でセザール賞主演男優賞を受賞しています。
実在のフィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴと介護人アブデル・セラウの関係が基ですが、映画では人物の出自などが変更されており、その点への批判もあります。
こんな人におすすめ
- 気持ちよく笑える一本を探している人
- 実話ものが好きな人
- 重くない人間ドラマが観たい人
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