

判決、ふたつの希望
小さな喧嘩から始まって、国の歴史に行き着きます。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・共同脚本
- ジアド・ドゥエイリ
- 出演
- アデル・カラム、カメル・エル=バシャ、リタ・ハーエク
- 製作国
- レバノン・フランス
- 日本公開
- 2018年
- 受賞
- 米アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート
- 舞台
- ベイルート
あらすじ(ネタバレなし)
ベイルート。キリスト教徒のトニーの家のベランダから、排水が路上に落ちます。工事監督のパレスチナ人ヤーセルが、無断で修理しました。
トニーはそれを壊し、ヤーセルは彼を罵倒します。謝罪を求めるトニーに対し、ヤーセルは頑として応じません。
口論は暴力に発展し、裁判になります。やがて報道が加熱し、この個人的な争いは、国内の民族対立を再燃させる事件へと膨れ上がっていきました。
ここが見どころ
小さな発端
始まりは排水管です。些細な出来事がどこまで拡大するかという構造が精密に組まれています。
どちらにも過去がある
二人ともが、それぞれの民族が受けた被害の記憶を背負っています。どちらが被害者かを決められません。
法廷の場面
弁護士同士が親子であるという設定が加わり、対立が世代の問題にも広がります。
この映画について:些細な口論が、国を二分する裁判になる。
排水管の口論から始まり、最後には国の歴史そのものが法廷に持ち込まれます。この拡大の描き方が優れています。
二人のどちらにも正当性があります。それぞれの民族が受けた暴力の記憶が、謝罪できない理由になっている。
レバノンの内戦史を知らなくても理解できるように作られています。必要な背景は劇中で説明されます。
結末は劇的ではありません。和解らしきものはあっても、対立が解けたわけではない。この抑制が誠実です。
この作品の良さ
- 些細な発端からの拡大の描き方
- どちらにも過去を与えた構造
- 背景を劇中で説明する親切さ
- 劇的にしない結末
当サイトの評価
些細な口論が、国を二分する裁判になる。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.3 |
| 映像美 | 3.8 |
| 音楽 | 3.7 |
| 演技 | 4.4 |
| 余韻 | 4.2 |
世間ではどう評価されているか
- 米アカデミー賞
- ノミネート 外国語映画賞
- 製作国
- レバノン ・フランス
- 日本公開
- 2018 年
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
レバノン映画として初めてアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされました。
中東の民族対立を扱っており、公開時には本国でも議論を呼びました。
こんな人におすすめ
- 法廷劇が好きな人
- 中東の歴史に関心がある人
- 答えの出ない対立を扱った作品が好きな人
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