

ホビット 思いがけない冒険
本編三部作と比べると評価は落ちます。それでも、あの一場面のために観る価値はあると思っています。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- ピーター・ジャクソン
- 原作
- J・R・R・トールキン『ホビットの冒険』
- 出演
- マーティン・フリーマン、イアン・マッケラン、リチャード・アーミティッジ、アンディ・サーキス
- 製作国
- ニュージーランド・アメリカ
- 公開
- 2012年
- 位置づけ
- 『ロード・オブ・ザ・リング』の60年前
あらすじ(ネタバレなし)
平穏な暮らしを愛するホビットのビルボ・バギンズのもとに、魔法使いガンダルフが訪ねてきます。続いて13人のドワーフが押しかけ、勝手に宴会を始めました。
彼らの目的は、竜スマウグに奪われた故郷の王国を取り戻すこと。ガンダルフはその一行に、忍び役としてビルボを推薦していました。
気は進まないまま契約書に署名したビルボは、旅に出ます。そして道中の洞窟で、彼はある指輪を拾い、その持ち主だった奇妙な生き物と出会うことになります。
ここが見どころ
ゴラムとの謎かけ
洞窟でのビルボとゴラムのやりとり。この10分ほどのために本作を観る価値があると言い切れる出来です。命がけの謎かけが、会話劇として成立しています。
マーティン・フリーマンのビルボ
巻き込まれ型の主人公として完璧な配役です。動揺し、文句を言い、それでも進む。本編のフロドとは違う種類の主人公像を作っています。
中つ国の風景
ニュージーランドの実景と美術は本編三部作から一貫しています。同じ世界に戻ってきた感覚は、シリーズのファンには何よりの価値です。
この映画について:『ロード・オブ・ザ・リング』の60年前。
最大の問題は、児童向けの一冊を三部作に引き伸ばしたことです。原作にない出来事が大量に追加され、テンポが著しく落ちています。本作でも、旅が始まるまでに1時間近くかかります。
追加された要素の中には、本編三部作へつなげるための背景説明も含まれます。設定の整合としては丁寧ですが、『ホビットの冒険』という物語のためには不要だったと思います。
映像面では、高フレームレート上映が話題になりました。滑らかすぎて安っぽいという指摘が多く、この試みは定着しませんでした。
それでも、ゴラムとの場面は文句なしです。アンディ・サーキスの演技も、本編三部作からさらに洗練されている。ここだけは、シリーズ全体でも屈指だと思います。
この作品の良さ
- ゴラムとの謎かけの場面
- マーティン・フリーマンによる巻き込まれ型の主人公
- 本編三部作と一貫した世界の質感
- 本編へつながる設定の整合
当サイトの評価
『ロード・オブ・ザ・リング』の60年前。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 3.7 |
| 映像美 | 4.5 |
| 音楽 | 4.6 |
| 演技 | 4.1 |
| 余韻 | 3.8 |
世間ではどう評価されているか
- 米アカデミー賞
- 3 部門ノミネート
- 原作
- ホビットの冒険 児童向けの一冊
- 公開
- 2012 年
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
『ロード・オブ・ザ・リング』三部作と同じピーター・ジャクソンが監督した前日譚三部作の1作目です。アカデミー賞では3部門にノミネートされました。
原作の一冊を三部作に分けた構成については、公開当時から批判があります。当サイトでは『ロード・オブ・ザ・リング』三部作も収録しています。
こんな人におすすめ
- 『ロード・オブ・ザ・リング』が好きな人
- 中つ国の世界にもう一度戻りたい人
- テンポの緩さを許容できる人
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