ハリー・ポッターとアズカバンの囚人(2004年・洋画)のイメージ
洋画2004年ファンタジー2000年代イギリス

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

1作目・2作目とは別のシリーズが始まったように見えます。実際、ここから作風が変わりました。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督
アルフォンソ・キュアロン
原作
J・K・ローリング
出演
ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、ゲイリー・オールドマン、デヴィッド・シューリス
製作国
イギリス・アメリカ
公開
2004年
シリーズ
第3作

あらすじ(ネタバレなし)

魔法界の監獄アズカバンから、シリウス・ブラックという囚人が脱走します。彼はハリーの両親を死に追いやった人物であり、次はハリー自身を狙っていると噂されていました。

ホグワーツの警備には、囚人を追う「吸魂鬼(ディメンター)」が配置されます。人から幸福な記憶を吸い取るこの存在に、ハリーは人一倍強く反応してしまいます。

新任の闇の魔術に対する防衛術の教師ルーピンから、ハリーは身を守る呪文を学び始めます。そして脱獄囚を追ううちに、両親の死をめぐる過去が、聞かされてきた話とは違うことを知ります。

ここが見どころ

アルフォンソ・キュアロンの演出

前2作の明るい色調から一転、灰色と青の画面になります。制服の着崩し、私服の導入など細部も変わり、登場人物が実在の思春期の子どもに見えるようになりました。

時間を扱う終盤

終盤、物語が同じ時間をもう一度たどり直します。それまでに見せた場面のすべてに別の説明がつくという構成で、シリーズの中で最も脚本が凝った部分です。

吸魂鬼の造形

抑うつそのものを形にしたような存在で、原作者が実体験をもとに考案したと語っています。子ども向け作品の敵としては異例に内面的です。

この映画について:シリーズが子ども向けをやめた、その分岐点。

シリーズ8作の中で、単体の映画としての完成度が最も高いとされる一本です。理由は明確で、原作の分量がまだ映画1本に収まる規模だったこと、そして監督が自分の解釈を持ち込んだことです。

キュアロンは原作の要素を大胆に削っています。魔法界の説明も、脇役の出番も減らされた。そのぶん、ハリーの内面と時間の仕掛けに集中できています。原作に忠実であることを最優先しなかった唯一の作品と言っていい。

この改変は原作読者から批判もされました。とくに重要人物の背景説明が省かれている点は、後の作品にも影響しています。ここは事実として書いておきます。

シリーズを通しで観るなら、本作から急に面白くなります。逆に、1作目・2作目の明るさが好きだった人には戸惑いがあるはずです。

この作品の良さ

  • 監督交代による画面と作風の刷新
  • 同じ時間を二度たどる終盤の構成
  • 吸魂鬼という内面的な敵の造形
  • 登場人物が実在の子どもに見える演出

当サイトの評価

4.4/5.0

シリーズが子ども向けをやめた、その分岐点。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.3
映像美4.8
音楽4.7
演技4.3
余韻4.4

世間ではどう評価されているか

監督
アルフォンソ・キュアロン 『ゼロ・グラビティ』
シリーズ
第3作 全8作中
公開
2004

数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。

監督は『ゼロ・グラビティ』『ROMA/ローマ』のアルフォンソ・キュアロン。前2作のクリス・コロンバスから交代しました。

シリーズの中で映画としての評価が最も高い作品として挙げられることが多い一本です。当サイトでは1作目も収録しています。

こんな人におすすめ

  • 1作目・2作目を観た人
  • シリーズの中から1本だけ選びたい人
  • 時間を扱った仕掛けが好きな人

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