淵に立つHARMONIUM
邦画2016年ドラマ2010年代コア

淵に立つ

静かで、じわじわと嫌な感覚が高まる作品です。救いはありません。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督・脚本
深田晃司
出演
浅野忠信、筒井真理子、古舘寛治、太賀
上映時間
119分
公開
2016年10月

あらすじ(ネタバレなし)

小さな町工場を営む鈴岡の家に、白いシャツを着た男・八坂が現れます。夫の古い知人だという彼は、そのまま住み込みで働くことになります。

妻も娘も、彼の礼儀正しさと落ち着きに次第に心を許していきます。しかし夫は、八坂の過去について何も語ろうとしません。そしてある日、決定的な出来事が起こります。

ここが見どころ

説明しない前半

八坂が何者か、二人の間に何があったのかは、長く伏せられます。分からないまま関係が深まっていく不安が全編の基調です。

8年後の後半

物語は途中で大きく時間を飛ばします。取り返しのつかなさが、時間の経過そのものとして提示される構成です。

この映画について:白いシャツの男が来た日から、家族が壊れ始める。

浅野忠信の存在感が全部を支えています。丁寧で、穏やかで、しかし何を考えているか分からない。この人物が成立しなければ映画が壊れますが、完全に成立しています。

扱われているのは、罪をなかったことにして生きてきた人間が、それを突きつけられる話です。加害と赦しについて、どこにも答えを置きません。

難点は、後半の展開がやや象徴的になりすぎることと、救いがまったくないことです。人を強く選びますが、この10年の邦画の中でも屈指の作品だと思っています。

この作品の良さ

  • 浅野忠信の存在感
  • 説明しないことで作る不安
  • 時間を飛ばす構成

当サイトの評価

4.5/5.0

白いシャツの男が来た日から、家族が壊れ始める。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.7
映像美4.5
音楽4.1
演技4.9
余韻4.9

世間ではどう評価されているか

カンヌ
審査員賞 ある視点部門・2016年
IMDb
7.1 /10
公開規模
単館系での公開

2016年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞を受賞しました。深田晃司監督が国際的に注目されるきっかけになった作品です。

こんな人におすすめ

  • 静かに嫌な感じが高まる作品が好きな人
  • 救いのない話に耐えられる人
  • 浅野忠信の芝居を観たい人

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