ファーザーTHE FATHER
ファーザー
構成の仕掛けが、そのまま主題になっている稀な作品です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- フロリアン・ゼレール
- 脚本
- ゼレール、クリストファー・ハンプトン
- 出演
- アンソニー・ホプキンス、オリヴィア・コールマン
- 製作国
- イギリス・フランス
- 上映時間
- 97分
- 公開
- 2021年5月(日本)
あらすじ(ネタバレなし)
ロンドンのフラットで一人暮らしをする81歳のアンソニー。娘のアンが介護人を手配しようとしますが、彼は「必要ない」と拒みます。
ある日、見知らぬ男が居間に座っています。男は自分をアンの夫だと名乗り、ここは自分たちの家だと言います。
腕時計が消える。娘の顔が違う。壁の絵がなくなっている。何が起きているのか、彼にはもう分かりません。
ここが見どころ
セットの微細な変化
同じ部屋のはずが、少しずつ家具や色が変わっています。観客は気づかないうちに方向感覚を失います。
配役の入れ替え
同じ人物を別の俳優が演じる場面があります。認知症の主観を、映画の文法そのもので表現しています。
最後の場面
アンソニー・ホプキンスが崩れる数分間。この演技で、彼は83歳でアカデミー主演男優賞を受賞しました。
この映画について:認知症の内側から世界を見せる。観客も混乱する。
認知症を扱った映画は多くありますが、介護する側ではなく、される側の視点で一貫して作られた作品は稀です。これが本作の最大の価値です。
97分という長さも適切です。これ以上長いと、観客の負担が過剰になります。
難点は、混乱そのものが目的なので、整理された物語を求めると不満が残ることです。また、家族の介護経験がある人には非常につらい。
この作品の良さ
- 主観を映画の文法で表現した構成
- アンソニー・ホプキンスの演技
- 97分という適切な長さ
当サイトの評価
4.4/5.0
認知症の内側から世界を見せる。観客も混乱する。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.7 |
| 映像美 | 4.3 |
| 音楽 | 4.2 |
| 演技 | 5.0 |
| 余韻 | 4.7 |
世間ではどう評価されているか
- アカデミー賞
- 2部門 主演男優賞・脚色賞
- IMDb
- 8.2 /10
- 記録
- 83歳 主演男優賞の最高齢受賞
第93回アカデミー賞で主演男優賞と脚色賞を受賞しました。アンソニー・ホプキンスは83歳での受賞で、主演男優賞の最高齢記録となりました。
原作は監督自身が書いた戯曲です。
こんな人におすすめ
- 構成の仕掛けが好きな人
- 演技を味わいたい人
- 認知症について考えたい人
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