SPIDER-VERSE
象は静かに座っている
覚悟が要ります。4時間近くあり、救いはほとんどありません。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督・脚本
- フー・ボー(胡波)
- 出演
- 彭昱暢、章宇、王玉雯、李従喜
- 製作国
- 中国
- 上映時間
- 234分
- 公開
- 2019年(日本)
あらすじ(ネタバレなし)
中国北部の、冬の地方都市。四人の人物の一日が並行して描かれます。
友人をかばって同級生を階段から突き落としてしまった高校生。教師と関係を持ったことが噂になった女子生徒。息子夫婦から施設行きを迫られる老人。友人の妻と寝ていた男。
彼らは口々に、満洲里の動物園にいるという象の話をします。一日中ただ座っているだけの象を、一目見に行こうとします。
ここが見どころ
長回しと浅い被写界深度
人物の背後がぼやけ、カメラは後ろから付いていきます。周囲が見えないという主観が、映像の設計そのものになっています。
会話の応酬
誰も他人の話を聞きません。四つの物語のすべてで、対話が成立しない。
最後のバス
夜、車が停まった場所で聞こえる音。この映画で唯一の救いらしきものが、そこにあります。
この映画について:234分。中国北部の一日を、四人の視点で。
監督のフー・ボーは、本作の完成後、29歳で亡くなっています。編集をめぐる製作側との対立が報じられており、この上映時間は監督の意図した版です。
作品を作家の死と結びつけて語ることには慎重であるべきですが、この映画が抱えている出口のなさは、それを抜きにしても圧倒的です。
難点は明白です。234分は長く、テンポは極端に遅く、明るい場面がほとんどありません。
この作品の良さ
- 長回しによる主観の設計
- 対話が成立しない世界の描写
- 最後の場面
当サイトの評価
234分。中国北部の一日を、四人の視点で。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.1 |
| 映像美 | 4.6 |
| 音楽 | 4.0 |
| 演技 | 4.3 |
| 余韻 | 4.7 |
世間ではどう評価されているか
- ベルリン
- 国際批評家連盟賞 2018年
- 上映時間
- 234分
- IMDb
- 7.5 /10
2018年のベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞しました。
監督のフー・ボーは本作の完成後、1988年生まれで29歳という若さで亡くなっており、これが唯一の長編作品となりました。
こんな人におすすめ
- 長尺に耐えられる人
- 中国の若手作家に関心がある人
- 救いのない作品でも平気な人
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