EVERYWHEREALL AT ONCE
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
コインランドリーを営む移民女性が、並行世界の自分の能力を借りて戦う。悪ふざけの密度と、母娘の話の真面目さが同居する。
前半だけ観ると、とても幸せな映画に見えます。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
ベルギーの花農家。13歳のレオとレミは、幼い頃から兄弟のように過ごしてきました。同じ布団で眠り、自転車で並んで走り、互いの家を行き来しています。
中学に上がった二人に、同級生が問いかけます。「あなたたちは付き合っているの?」。悪意のない質問でした。
レオは距離を取り始めます。アイスホッケーを始め、レミを避けるようになります。レミは、その理由が分かりません。
季節ごとに色を変える花畑。時間の経過と、関係の変化が重ねられます。
作品の中盤で起きる出来事は、直接描かれません。観客も、レオと同じ順序で知ることになります。
レミの母。終盤、車の中での場面が、この作品でいちばん重い数分です。
この映画が扱っているのは、「男の子同士がこれ以上親密であってはいけない」という規範が、どれほど暴力的に働くかです。誰も悪意を持っていません。
監督のルーカス・ドンは前作『Girl』でも思春期を扱っています。ただ、こちらのほうが批判は少ない。
難点は、後半の展開が非常につらいことです。心の準備をして観てください。
13歳の親友二人が、周囲の視線で引き離される。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.3 |
| 映像美 | 4.6 |
| 音楽 | 4.6 |
| 演技 | 4.8 |
| 余韻 | 4.7 |
2022年のカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞しました。
アカデミー賞では国際長編映画賞にノミネートされています。
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