超かぐや姫!
『竹取物語』の翻案は数え切れないほどありますが、ここまで現代の話に置き換えたものは記憶にありません。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- 山下清悟
- アニメーション制作
- スタジオコロリド/スタジオクロマト
- 声の出演
- 夏吉ゆうこ、永瀬アンナ、早見沙織、入野自由、内田雄馬、花江夏樹ほか
- 上映時間
- 142分
- 劇場公開
- 2026年2月20日
- 配信
- 2026年1月22日 Netflixにて先行配信
あらすじ(ネタバレなし)
都内の進学校に通う17歳の酒寄彩葉は、バイトと学業に追われる多忙な日々を送っていました。その一方で、ツクヨミという仮想空間でライバーとして活動しています。
ある日の帰り道、彩葉は七色に光る電柱のそばで赤ん坊を見つけます。放っておけずに連れ帰ると、その子は異常な速さで成長し、かぐや姫のような少女の姿になりました。
彩葉がプロデューサーとして曲を作り、かぐやがライバーとして歌う。二人の活動は少しずつ形になっていきます。しかしその裏で、かぐやを月へ連れ戻そうとする影が近づいていました。
ここが見どころ
翻案の距離感
竹から生まれる、急速に成長する、求婚者が現れる、最後に月へ帰る。古典の骨格を一つも捨てずに、全部を現代の配信文化に置き換えています。この対応づけの精度が本作のいちばんの面白さです。
「歌う」ことの必然性
ライバーという設定が単なる今風の飾りになっていません。かぐやが人前に立ち、声を届ける行為が、彼女がこの世界に留まる理由と直結している。設定と主題が噛み合っています。
142分という尺
アニメーション映画としてはかなり長い部類です。ただ、二人の関係が積み上がっていく過程に時間をかけたぶん、終盤の別れが効きます。長さに理由があるタイプの作品です。
この映画について:竹取物語を、配信文化で語り直す。
『竹取物語』でいちばん残酷なのは、かぐや姫が最初から帰ることが決まっている点です。どれだけ関係を深めても、期限が動かない。本作はその構造をそのまま持ち込んでいて、楽しい場面が積み上がるほど怖くなるという作りになっています。
監督の山下清悟は本作が初の長編監督作にあたります。細田守作品を思わせる部分もありますが、それ以上に、日常の描写と非現実の切り替えが乱暴なくらい速い。この速さが、配信文化を扱う題材と合っています。
スタジオコロリドの映像は相変わらず良く、とくに仮想空間の場面と現実の夜の場面の色設計が対比になっています。どちらが「本当の世界」なのかを画で問いかけてくる作りです。
難点を挙げれば、142分のうち中盤にやや停滞する部分があります。活動が軌道に乗っていく描写が丁寧すぎて、テンポが落ちる。ここは20分ほど詰められたはずです。
この作品の良さ
- 古典の骨格を捨てずに現代へ移した翻案の精度
- 「歌う」ことが主題と直結している構造
- 仮想空間と現実の色設計の対比
- 終盤の別れに向けた積み上げ
当サイトの評価
竹取物語を、配信文化で語り直す。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.2 |
| 映像美 | 4.4 |
| 音楽 | 4.5 |
| 演技 | 4.1 |
| 余韻 | 4.3 |
世間ではどう評価されているか
- 日本興収
- 27.0 億円
- 上映時間
- 142 分
- 配信
- Netflix 2026年1月22日 世界独占先行
2026年1月22日にNetflixで世界独占先行配信され、同年2月20日に劇場公開されました。日本での興行収入は27.0億円です。
スタジオコロリド/スタジオクロマト制作。古典『竹取物語』をバーチャルライバー文化と結びつけた翻案として評価されています。
こんな人におすすめ
- 『竹取物語』の翻案に興味がある人
- 配信文化・VTuber文化に馴染みがある人
- 細田守作品のような、日常と非現実が交ざる話が好きな人
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