武士の一分
『たそがれ清兵衛』が気に入った人には、確実に届く一本です。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- 山田洋次
- 原作
- 藤沢周平
- 音楽
- 冨田勲
- 出演
- 木村拓哉、檀れい、笹野高史、坂東三津五郎
- 上映時間
- 121分
- 公開
- 2006年12月
あらすじ(ネタバレなし)
海坂藩の下級武士・三村新之丞は、藩主の毒見役を務めています。日々同じ仕事の繰り返しで、剣術道場を開くのが夢です。妻の加世と、穏やかに暮らしています。
ある日、毒見をした貝が原因で新之丞は倒れ、命は取り留めたものの視力を失います。武士としての務めを果たせなくなった彼は、家禄の存続を案じます。
加世は夫のために、藩の重臣に頼み込みます。しかしその行為が、思わぬ形で夫婦の間に亀裂を生みます。
ここが見どころ
生活の描写
台所、縁側、庭の光。山田洋次の時代劇は、合戦ではなく暮らしを撮ります。その積み重ねが終盤の緊張を作ります。
笹野高史の徳平
老僕として夫婦を支える人物。喜劇的な役回りでありながら、作品全体の温度を保っています。
一度きりの立ち合い
目の見えない状態での果たし合い。殺陣は短く、あっけない。その処理が誠実です。
この映画について:毒見役が失明する。守るべきものは一つだけになる。
「一分(いちぶん)」とは、譲れない筋のことです。大義でも名誉でもなく、たった一人の妻をめぐって刀を抜くという小ささが、この作品の主題です。
木村拓哉の起用は当時賛否がありましたが、視力を失って以降の抑えた芝居は良いと思います。檀れいの映画初主演作でもあります。
難点は、前半のテンポが緩いことと、山田洋次らしい人情の押し出しがやや強い箇所があることです。
この作品の良さ
- 暮らしの描写
- 短くあっけない殺陣
- 夫婦の関係の描き方
当サイトの評価
毒見役が失明する。守るべきものは一つだけになる。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.0 |
| 映像美 | 4.2 |
| 音楽 | 4.0 |
| 演技 | 4.4 |
| 余韻 | 4.1 |
世間ではどう評価されているか
- 国内興行収入
- 41.1 億円
- 日本アカデミー賞
- 受賞 複数部門
- IMDb
- 7.4 /10
国内興行収入41.1億円を記録しました。『たそがれ清兵衛』『隠し剣 鬼の爪』に続く、山田洋次の時代劇三部作の完結編です。
原作は藤沢周平の短編「盲目剣谺返し」です。
こんな人におすすめ
- 『たそがれ清兵衛』が好きだった人
- 静かな時代劇を観たい人
- 夫婦の話が好きな人
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