9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2020年・洋画)のイメージ
洋画2020年サスペンス・犯罪サスペンスフランス

9人の翻訳家 囚われたベストセラー

3.8/5当サイトの評価(5点満点)

設定の面白さで最後まで引っ張るタイプの作品です。

ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。

作品データ

監督・共同脚本
レジス・ロワンサル
出演
ランベール・ウィルソン、オルガ・キュリレンコ、リッカルド・スカマルチョ、エドゥアルド・ノリエガ
製作国
フランス・ベルギー
日本公開
2020年
ジャンル
ミステリ

あらすじ(ネタバレなし)

世界的ベストセラー三部作の完結編。その同時発売のため、9か国の翻訳家が集められます。

作業場所は、外部と完全に遮断された地下施設でした。携帯電話は没収され、原稿は毎日20ページずつしか渡されません。情報漏洩を防ぐためです。

しかしある日、出版社に脅迫メールが届きます。冒頭10ページがすでにネット上に公開されており、続きを流出させたくなければ金を払え、と。犯人はこの9人の中にいます。

ここが見どころ

実際の慣行が下敷き

『インフェルノ』の翻訳で実際に行われた隔離作業が着想元です。現実にある奇妙な仕事が、そのままミステリの舞台になっています。

時間軸の操作

現在と過去を行き来しながら真相が明かされます。順番を入れ替えることで観客を誤導するという手法です。

翻訳という仕事への視線

作品を最も深く読む人間でありながら、作者の下に置かれる存在。この不均衡が動機に関わってきます。

この映画について:地下室に閉じ込められた翻訳家から、原稿が流出する。

設定が優秀です。閉鎖空間、限定された容疑者、明確な動機の不在。ミステリの条件が最初から揃っています。

仕掛けも複数用意されており、真相が明かされてからさらに反転します。ただ、反転を重ねすぎて説明が長くなるのが難点です。終盤は台詞での説明が続きます。

翻訳という仕事への視線は良く、単なる舞台装置に留まっていません。読むことと書くことの関係が、動機の核心に置かれています。

細部の辻褄には甘い部分があります。ただ、勢いで押し切るタイプの作品なので、細かく検証しなければ十分に楽しめます。

この作品の良さ

  • 実際の隔離翻訳を下敷きにした設定
  • 時間軸の操作による誤導
  • 翻訳という仕事への視線
  • 閉鎖空間ミステリとしての条件の揃い方

当サイトの評価

3.8/5.0

地下室に閉じ込められた翻訳家から、原稿が流出する。

項目別の採点(5点満点)
項目点数
脚本4.0
映像美3.8
音楽3.7
演技3.9
余韻3.7

世間ではどう評価されているか

着想元
実際 の隔離翻訳作業
製作国
フランス ・ベルギー
日本公開
2020

数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。

ダン・ブラウン『インフェルノ』の翻訳時に実際に行われた隔離作業を着想元とする作品です。

閉鎖空間を舞台にしたミステリとして、日本でもミニシアターを中心にヒットしました。

こんな人におすすめ

  • 閉鎖空間ミステリが好きな人
  • 翻訳や出版に関心がある人
  • 仕掛けの多い作品が好きな人

配信を探す

各サービスで「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」を検索した結果へ移動します。配信の有無はリンク先でご確認ください(配信状況は頻繁に変わるため、当サイトでは配信中かどうかの判定はしていません)。