

658km、陽子の旅
地味ですが、主演の仕事が突出しています。
ネタバレについて:この記事はネタバレなしで書いています。結末や物語の核心に触れる内容は載せていません。
作品データ
- 監督
- 熊切和嘉
- 出演
- 菊地凛子、竹原ピストル、光石研、風吹ジュン
- 製作国
- 日本
- 公開
- 2023年
- 受賞
- 東京国際映画祭 東京グランプリ
- ジャンル
- ロードムービー
あらすじ(ネタバレなし)
42歳の陽子は、東京のアパートで人と関わらずに暮らしています。仕事も続かず、実家とは20年以上絶縁したままでした。
ある日、いとこから父の訃報が届きます。青森の葬儀へ向かうため車に同乗しますが、途中のサービスエリアで置き去りにされてしまいました。
金も、頼れる相手もありません。彼女は見知らぬ人の車に乗せてもらいながら、658キロ先を目指すことになります。
ここが見どころ
話せないという演技
菊地凛子は前半、ほとんど言葉を発しません。他人に助けを求めることができないという状態が、身体だけで示されます。
乗せてくれる人々
親切な人も、そうでない人もいます。ヒッチハイクという行為の危うさが、きれいごとにされていません。
父との記憶
旅の途中に、若い頃の父が現れる場面があります。現実と記憶の切り替えが説明なしに行われます。
この映画について:42歳、引きこもり。ヒッチハイクで青森へ。
ロードムービーの形をとっていますが、目的地に着くことよりも、他人と話せるようになることが主題です。
菊地凛子の演技が突出しています。うつむき、口を開かず、目を合わせない。「何もしない」ことを演技として成立させるのは難しく、それを全編でやり切っています。
途中で出会う人々の描写に容赦がなく、性的な危険も含めて示されます。優しい世界の話ではありません。
淡々としており、大きな山場もありません。終盤の変化もごくわずかです。その控えめさを物足りないと感じる人はいるでしょう。
この作品の良さ
- 菊地凛子の「何もしない」演技
- ヒッチハイクの危うさを美化しない描写
- 説明なしに記憶を差し込む演出
- 変化を控えめにした終盤
当サイトの評価
42歳、引きこもり。ヒッチハイクで青森へ。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 脚本 | 4.0 |
| 映像美 | 4.0 |
| 音楽 | 3.8 |
| 演技 | 4.4 |
| 余韻 | 4.2 |
世間ではどう評価されているか
- 東京国際映画祭
- 東京グランプリ 2022年
- 主演
- 菊地凛子
- 公開
- 2023 年
数字は2026年8月時点で確認できたものです。IMDbのスコアや公開中の作品の興行収入は、その後も変動します。
第35回東京国際映画祭で東京グランプリと最優秀女優賞を受賞し、翌2023年に公開されました。
菊地凛子の演技への評価が特に高い作品です。
こんな人におすすめ
- ロードムービーが好きな人
- 静かな作品に耐えられる人
- 俳優の演技を目当てに映画を観る人
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